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ヴィーガンでないオレンジ

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https://newsphere.jp/business/20220909-1/

この記事は、イギリスのテスコのオレンジはヴィーガンではないというもの。はちみつ由来の蜜蝋やカイガラムシ由来のワックスが表面に塗られているからだという。

動物倫理の観点からは、蜂やカイガラムシを倫理的な配慮にする必要があるのかという議論はある(そして私はこれらの動物がおそらく苦痛等を感じないし、将来のプランといった高度な思考もできないので、少なくとも哺乳類と同等の配慮の対象にはならないと考えているが)。その問題を措いても、このオレンジに限らず、野菜や果物がその生産過程のどこまでを検討材料に入れるかによって、それ自体としてヴィーガンでないということはありえる。

たとえば、野菜や果物を生産するうえでの肥料。化学肥料はエネルギーや資源こそ消費してはいるものの、ヴィーガンと考えてよいだろう。その一方で、有機肥料、とくに堆肥は、植物由来のものもあるが、多くは牛糞や鶏糞が原料になっており、それらは畜産から来ている。もし原料や生産方法まで動物由来のものを排除しなければならないとなると、スーパーで販売されている野菜や果物の多くはヴィーガンでないということになるだろう。しかも、特別な表示がなされていない限り、動物性の原料を使用している食材とそうでない食材を区別することは不可能だ。

生産方法からヴィーガンにしていこうという取り組みもある。ヴィーガンであることを突き詰めていくとき、避けては通れない課題だろう。